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■大槻香奈の日記■

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【NEWS】大槻香奈個展「生処に帰す」東京にて開催

生処に帰す


2014年1月14日より、The Artcomplex Center of Tokyoにて大槻香奈個展「生処に帰す」を開催いたします。
約100坪のアートコンプレックス・ホールに約60点の作品を展示予定です。
皆様ぜひお越し下さい。

【期間】2014/1/14(tue) - 2/9(sun)※月曜休み
【時間】11:00-20:00 最終日は18:00まで
【場所】B1F artcomplex hall
※その他詳細はこちら→http://www.gallerycomplex.com/schedule/Hall14/ohtsuki_kana.html
※お問い合わせはThe Artcomplex Center of Tokyoまで。


「生処に帰す」―実感としての生死の先に―

 蝶の蛹について考えている。青虫と蝶は生存戦略の全く異なる生物であり、蛹になる事で青虫としての死のかわり
に蝶という新たな生を手に入れるのだと考えると、蝶は青虫の死後と言える。どこまでが青虫の生で、どこからが
青虫の死なのだろうか。そう考えると蛹は「生死の境界に佇む存在」なのだと思えてくる。もしくは「実感として
の生死を内包する存在」とも言えるのかもしれない。そのように解釈した時、私は今をとても蛹的に生きていると
感じた。

 人間という生物は、生きている「事実」の他に、生きている「実感」を得る事を必要としている。そんな訳で、
人はしばしば生きながら死んでいたり、死んでいるように生きている事がある。
その生の「実感」をいかにして得ているのだろうかという問いと、蝶の一生を照らし合わせるところから、今回の
作品制作ははじまった。

 蝶の成長過程はとてもシンプルだ。青虫から蛹へ、そこから蝶になって一生を終える。しかし人間は
「実感」としてはそうシンプルな構造で死に向かえる訳ではない。例えば「思春期」という観念において。それは
一般的に子供の頃のある期間一度きりのものとして認識されているが、個人的には、人は成長しようとする
意思さえあれば「子供→思春期→大人」の流れを一生のうちに形を変えて何度もループするものだと考えている。
実際的には生から死へと緩やかな時間の流れの中に自分が存在しているのだが、実感としてはそうではない。
一生のうちに自分が何度も死に、何度も生まれ変わる。それが生のリアリティだと感じる。蝶で例えるなら、
死ぬまでに蛹の時期が何度も訪れるようなイメージなのだ。

 個人の生においてだけでなく、戦争や災害によって破壊と生成を繰り返してきた日本都市にもそれと同じような蛹的
匂いを感じている。蛹を生きるという感覚は、もしかしたらとても日本的であるのかもしれない。
いずれ無くなるという事を理解していながら、半永久的に残す事を目的に創られた建築物に想いを馳せる時、
それはまるで自分の人生のようだと感じられた。
 蝶を生成し、いずれ死があり、また青虫に戻り、再び蛹になっていく。こう書くと寂しい感じがするかもしれい。
しかし人は生きていく上で「何度も蛹になれる」ということ、前とは違う蛹になっていけるということ、
その事自体が新しい希望になりはしないだろうか。

 作品としては、実際的な生から死への「時の流れの表象」と、実感としての「生死の連鎖」の両観念を落とし込み
たいと考えている。 私たちは今どんな理由で、どういった風に何度目かの蛹を生きるのか。作品が、観る人それぞれ
の「今」と照らし合わせて鑑賞して頂けたのなら幸いに思います。

(※モンシロチョウへの個人的な思い入れにより、本来「幼虫」と記載すべき部分を全て「青虫」としております。
今回の個展タイトルにある「生処(しょうじょ)」とは、仏教用語で死後生まれ変わる場所を意味し、ここでは生命
の「実際的な死後」でなく、あくまで「実感的な死後」の意味合いでこの言葉を扱っています。)

2013.10 大槻香奈


作品画像:「生処に帰す」2013年 970×1303mm キャンバス・アクリル・スプレー


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今回の個展会場にて、京都在住の音楽ユニットCalmloopの映像作品を特別上映いたします。
Calmloopメンバーの一人である中村至宏は「すべてのものは流れている」無常観をテーマに、 絵画や音楽、
映像等の作品制作を行っています。
今回「時の流れの表象」をコンセプトのひとつとして掲げている大槻の個展作品と、 どこか共通の分母を
見いだす事が出来るかもしれません。
2013年10月には、下田ひかりや大槻と共に三人展「言葉のうまれる前に」(京都gallery near) を行い、
美術作品を発表しています。 

Calmloop http://www.calmloop.com

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作家 : 大槻 香奈

Author:作家 : 大槻 香奈
美術作家/イラストレーター
お問い合わせは以下の大槻香奈Webサイトよりお願い致します。

http://ohtsuki.rillfu.com

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