KanaOhtsuki * One day One picture

■大槻香奈の日記■

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捨てる場所

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10年以上前の、学生だった時のある日の些細な出来事を思い出していた。
とある先生に纏わる話。

私にとっては良い先生で、精神的に頼れる、とかそういう事は無かったのだけど、
勉強に関しては、個人的に質問してもとても熱心に教えて下さったし、
難しい問題が出来ると素直に褒めてくれるシンプルに良い先生だった。

その先生に日々少し気になるところがあって、
それは当時のクラスメイトのひとりであるAさんを、
おそらくひどく嫌っているであろうという事だった。
でも確信があった訳じゃなくて、何となくそうなんじゃないかな、ぐらいにしか思っていなかった。
それは私だけが感じていた訳じゃなくて、たぶんクラスのみんなもそう思っていた。

ある日の授業中、複数の生徒の質問攻めにあっていた先生は、
ひとりひとりの問いに対して優しく、丁寧に答え、説明をしていた。

その時、Aさんも手を上げて先生に質問をした。
すると先生は表情を変えて

「知りません。それぐらい自分で調べたらどうですか。」

と、突き放すように早口で言った。
明らかに教室の空気が変わって、みんなしんとしてしまった。
先生はどちらかといえば、言ってしまった、というような感じだった。

教室が何となく気まずい沈黙だったその時、
クラスメイトのBさんがひとり、「あははは」と笑い出した。

誰に対しての嫌味とかではなく、やれやれ、先生やっちゃったね、
と慰めるような、励ますような笑いだった。
それに続いてC君も「もう~なんやねん」と、しょうがない感じで笑った。

先生はそれではっと我に返ったのか、
「それに関しては資料集を見れば書いてあると思いますので、みなさんも調べてみてくださいね。
調べるのも勉強ですよ。」
みたいな事を慌てて言った。


Bさんが笑ってくれたお陰で教室が何となく和やかな空気に変わった。
Aさんも、もしかしたら少し救われたかもしれない。

なんか、特にそれまでBさんを意識した事は無かったけど、
彼女は大人だなあと、今まで知らなかった優しさを垣間見れたような気分になったなあと。

そんな事を思い出した。

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作家 : 大槻 香奈

Author:作家 : 大槻 香奈
美術作家/イラストレーター
お問い合わせは以下の大槻香奈Webサイトよりお願い致します。

http://ohtsuki.rillfu.com

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