KanaOhtsuki * One day One picture

■大槻香奈の日記■

雨あがり

雨あがり


自分の感情を早く満たす事が出来るような比較的簡単なツールは周りにあふれている訳で、
そういう「自分の意思で何とかなるもの」を、少し寂しく感じる事がある。

高校生のとき、周りの友達がみんな携帯電話を持ち始めた瞬間、
その友達らとの会話が極端に減ってひどく悲しくなった思い出がある。
おそらく裏でメールをやり取りしているのが、その子たちの会話の代わりになったりしていたんだろうと思う。
そんな事をふと思い出した。

感受性ってことを考えたときに、私自身はあまり無いほうなんじゃないかと日々自信を無くしているのだけど、
それでも何となく思うことは、僅かで繊細な感触を忘れてはならないという事だ。
今感じてる風のにおいとか、季節の香りとか、遠くで聞こえる音とか、お日様のあたたかさとか、空の色とか
それらは永遠にそこにあるようでいて、実はそのとき、その一瞬でしか感じられないものであるし、
次の瞬間にはもう出会えない感覚が常にそこにあって。
音楽CDのように「いま聴きたいから聴く」という訳にはいかないものに愛しさを感じる。

人の出会いもそうで、人のそれぞれの関係性も永遠ではないし、
永遠だと感じるのは私たちがその関係性に名前をつけているからに過ぎなくて、
(またそれに纏わりつく感情に名前をつける事も同じことで)
変化していくもの、人間を含む自然物に対して何か半強制的な「名前をつける行為」って
苦しいものでしかないと思うことがある。

僅かで繊細な感受性を持つことが出来るのならば、
わかりやすい名前や言葉など無くとも人を信じることは出来るし、
また相手の気持ちも自然と察する事が出来るんじゃないかと思う。


と、最近読んだマンガ版「風の谷のナウシカ」を読んで思ったのでした。
これは、映画のナウシカと印象が全然違う。

繊細すぎる感覚がリアルに伝わってくる。
「胞子が発芽するときのつぶやき」ってどんなのかしら?
こういうホッとする感覚に出会える作品はいいなあ。それでいてとても強い。

男性である宮崎さんがこんな母性の強い作品を作れるなんて。
女性にしか出来ない事、女性としての役割についても考えさせられる作品でした。
こういう事を、異性への単なる憧れの感情で描いていないところにひどく関心させられます。

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作家 : 大槻 香奈

Author:作家 : 大槻 香奈
美術作家/イラストレーター
お問い合わせは以下の大槻香奈Webサイトよりお願い致します。

http://ohtsuki.rillfu.com

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